日本では近年、1年に約2万人が肝臓がんで亡くなっています。肝臓がんの原因は、アルコールの場合もありますが、約50%がB型肝炎ウィルスおよびC型肝炎ウィルスの感染によるB型肝炎およびC型肝炎です。いずれのウィルスも肝臓にすみついて慢性化すると、ほとんど無症状のまま20年から30年という長い年月をかけて肝硬変や肝臓がんへと進行する危険があります。
B型・C型肝炎ウィルスは、血液や体液を介して感染します。現在では、医療従事者の針刺し事故のほか、覚せい剤乱用時の汚染針の使用、入れ墨、汚染したピアスの穴開け器具の使用、性感染が主な原因となっています。最近では、ファッションで、ボディーピアスやタトゥー、アートメイクをする若者も増えて来ています。感染の危険性が高い行為ですので、注意が必要です。
肝炎ウィルスに感染していても無症状のことが多いです。肝炎ウィルス検査をできるだけ早くに受けて感染を知り医療機関で適切な治療を受けることで肝硬変や肝臓がんといった深刻な症状に進行するのを防ぐことができます。B型・C型肝炎ウィルス検査は、保健所、県内28か所の肝疾患専門病院にて受けられます。無料で受けるには、まずお近くの保健所へお問い合わせ下さい。
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、障害が起こっても症状がなかなか現れない臓器です。自覚症状がほとんどないため、気づいたときには、病気がかなり進行してしまっていることがよくあります。アルコールによる肝臓障害と思っていたら、B型肝炎やC型肝炎であることもあります。自覚症状がなくても、右の下の項目に一つでも当てはまることがあるならば、早めの無料検査で、肝炎ウィルス感染の有無を確認しましょう!
公開開始:令和6年9月1日
終了:令和7年2月28日
静岡県には、肝疾患に関する相談を受ける相談窓口として、静岡県肝疾患診療連携拠点病院があります。静岡県肝疾患診療連携拠点病院では、専門医がおり、専門の検査ができ、治療や相談が受けられます。